最初の富士山への挑戦
最初の富士山
僕が最初に富士山に挑戦したのは31歳の時です。ちょうど登山の趣味を始めたところで、やっぱり富士山は登っておこないといけないと、なんとなく思っていて、一緒に登山を始めた奥さんと山頂を目指しました。ちなみに奥さんはすでに3回位頭頂に成功していて、僕ははじめてでした。
8合目の山小屋白雲荘に予約を取り、バスで富士山の5合目まで向かい、登山スタートです。天候に恵まれ、80%くらいは雨が降ると言われている富士山で雨が降ることはなく、初日は順調に登山できました。異変があったのは山小屋についてからです。
予約していた山小屋の白雲荘で食事をいただき、ビールを飲みました。その直後から頭痛が始まり、耐えられなくなりました。
高山病です。
横になったのですが、体調は優れず、深夜に起きることができず、山頂は諦めました。山小屋までは高山病の気配すらなかったのですが、山小屋について気が緩んだのか、ビールがいけなかったのかわかりませんが、残念な結果となりました。
2回目の富士山
2回目は大学時代の友人と5人で挑戦しました。最初の時に泊まった山小屋の白雲荘は8合目でしたが、今回は7合目の東洋館に宿泊しました。
すでに当時の僕はいくつかの山に登っていて、装備は揃ってしました。あえて富士山に行くつもりもすでになかったのですが、仲間に誘われ、前回失敗しているリベンジもあり、富士登山を決めたのでした。ちなみに僕以外の4人は初富士山&初登山という面々です。
ツアーにも申し込み、ガイトさんと一緒の登山です。ゆっくりなペースで登っていきました。7合目の東洋館で食事を仮眠です。今回は前回の反省を活かし、ビールは控えました。
深夜12時くらいから山頂を目指します。ヘッドランプを点けて、防寒着を着用して山頂を目指しました。山頂までの道のりは登山者で数珠つなぎになっています。早く歩こうにも歩けない状態です。最終的には登山道は混雑していて登りきれないという判断から、下山道を逆流して登りました。
途中、雨が降ったりもありましたが、山頂はものすごい強風でしたが快晴でした。きれいな御来光を見ることができました。これはその時の写真です。
山頂では少し休憩して下山です。下山は土埃がすごくて、口の中、鼻の中、耳の中、靴の中が大変なことになりました。靴はその後も登山で使いましたが、しばらくは赤茶色の状態が続きました。
富士登山にガイドさんは必要か?
最初の富士登山はガイドさん無しで登りました。2回はツアーでガイトさん付きでした。ガイドが必須かというとそうではないです。登山初心者でゆっくりのペースで、でもきちんとご来光を目指したいのと言うのであればガイドさんがいたほうがいいでしょう。ただ、個人で手配すれば別でしょうが、ツアーの場合、ひとつのツアーで30人とかの人が参加します。そうなってくるとガイドさんに期待するのは山頂までの案内のみでそれ以上は期待できません。
また、自分のペースであったり、山道が数珠繋ぎになる前に登っていきたい人、数珠つなぎの中をかき分けて登っていきたい人などもガイドさんは不要です。
僕の場合は、ガイドさんの案内ではペースがゆっくり過ぎて逆に疲れました。次富士山に行くときはガイドさんは頼みません。
ガイドさんに聞けてよかった話がひとつあります。行動食としてチョコレートを持ってくる人がいるようですが、チョコの油脂は体に影響をおよぼすことがあるようです。
富士登山への持ち物チェックリスト
富士山に持っていくべきものをあげておきます。
- 靴(登山靴)
- 靴下(替えも)
- シャツ(羽織れるもの)
- 下着(替えも)
- 帽子
- 手袋
- タオル・バンダナ
- スパッツ
- ザック
- ザックカバー
- 日焼け止め
- ヘッドライト
- 防寒着(山頂付近は寒いです)
- 雨具(ほぼ雨がふるので必須)
- ティッシュ・トレットペーパー
- 汗ふきシート(お風呂やシャワーはないのであると便利)
- ゴミ袋
- 絆創膏
- アメやカロリーメイトなどの行動食
- マスク(下山道は膣ぼこりがすごいのであると便利)
- 保険証
- 水
防寒着と雨具は絶対に必要です。絶対です。雨が降る確率は高いので濡れたとき対策として着替えなども用意しましょう。ザックにアメカバーがあれば理想的ですが、ない場合は、着替えなどが濡れないようにしっかりと密閉しましょう。
夜間の登山のためにヘッドランプもあったほうがいいです。また、山小屋ではトイレが外になるのでトイレにいくときにもヘッドランプがあったほうがいいです。
マスクは下山時の土埃対策です。雨天なら土埃の問題はありませんが、天気が良い時の土埃は相当なものです。鼻や口に入ってしまうのでマスクを持参して対策します。
富士山に登った経験をSさんの体験談
私が富士山に登ったのは私が小学校4年生の時でした。富士山に1度は登ってみたいという両親の希望で家族4人で登山ツアーに参加し、五合目から登り始めました。登山ガイドさんの指示で時々休憩しながら登りましたが日頃から動くのが好きで体力に自信もあった私は持ってきた酸素ボンベも必要とせず、まったく疲れを感じずに軽快に八合目まで登りました。八合目に着いた頃は外もだいぶ暗くなっていたと思います。
次の日に日の出に合わせて登山を開始するため、とても狭い山小屋でツアーに参加したメンバーと共に眠りにつきました。小屋の中は本当に狭く、隣は母親、逆隣は知らないおばさんと密着するくらい狭く、寝返りは完全にできないほどでした。山小屋での一泊は快適ではありませんでしたが、一日中歩き続けていたせいかぐっすり眠ることができました。次の日のまだ空が暗いうちに起き、頂上に向け再び登山を開始しました。ツアーのメンバーのうち何人かは疲れてしまい頂上に行くのを断念する人もいました。私の妹は疲れきってしまい、父親と一緒に八合目に残ることにしました。
私はもともと登山にあまり興味がなかったのですが、せっかく八合目まだ来たからには頂上まで登っときたいと思ったので、母親と一緒に頂上に向かうことにしました。標高が高くなったこととまだ日が出ていないせいか、前日よりもかなり寒く感じました。八合目から頂上までは前日登った時間よりは遥かに短い時間でしたがかなり厳しい登山となりました。私は軽い登山病になってしまい半端ない寒気を感じながらもなんとか頂上まだ辿り着いたのですが、吐気が酷く、綺麗な日の出を楽しむ余裕はまったくなく、早く帰りたい気持ちでいっぱいになっていました。帰りは八合目に戻って来る頃にはだいぶ体調が回復していました。
下山はツアーのメンバー一緒に行動しなくても良いとのことで早く帰りたかった私は皆よりも先を歩いていたのですが、いつのまにか皆と、家族とも逸れ1人になっていたのです。とりあえず五合目まで降りて待っていれば良いと思い1人で下山し続けたのですが、帰りは天候が悪く途中土砂降りの雨が降り、雨具は両親が持っていたため私はずぶ濡れになってしまいました。なんとか五合目に着き、家族とも再開できました。
私の富士登山はあまり良い思い出ではなく、私はそれ以来山には登っていません。
はじめて富士登山をする人へのアドバイスとしては、いくら体力に自信があったとしても、登山を甘くみないこと、また無理せず自分のペース、もしくは少しゆっくりすぎかなと思うくらい自分に負荷をかけずに登山することをお勧めします。
富士登山は楽しいか?
Sさんはもう山に登っていないということですが、僕も富士登山はもういいかなと思っています。
極寒の中の登山や、それを乗り越えてのご来光の経験は貴重でしたが、一度で十分ですし、他の山も登った経験がある身としては、富士登山は正直あまり楽しくはありません。他の山を登山したほうが楽しいです。ご来光を見る場合、人が多くて登るのが大変だし、下山の登山道はつまらないからです。景色は変わらないし、人だらけだし・・・。
子どもが大きくなったときにもう一度行くかもしれませんが、自分からは行こうと思うことはないでしょう。別のルートで登ったり、ご来光を見ないで登山するなら考えるかもです。
ただ、一度は登っておくべきなのだろうと思います。登ってご来光は見ておくべきかなと。70を過ぎるうちの父が言っています「一度登っておくべきだったな」って。それに富士山はつまらないって言うのは登った人しか言えないことです。